No.13.土留計算の先掘り深さ(’98.8.2)
これについての,はっきりした基準はないようですが
皆さん例えば0.8mとか1.0mとかいう値を用いていますよね.
計算上もたないからといって,50pなんて値にしてはいけませんよ.
つい最近,既設の鋼矢板を使用するなんてケースに遭遇して苦し紛れでそんな計算したことがありますが・・・
標準1mという認識を持っておきましょう.
いずれにしても設計計算の元となっている先掘り深さまで図面に明記しましょう.
なぜか,・・・・・
施工サイドは図面が全て・図面が命であります.
計算書や報告書を見て施工するわけではないのですから,必要なことは全て図面に明記しなくてはいけません.
施工サイドは,怖いほど,図面のとおりにしか施工しません.
たとえ図面にミスがあってもミスのとおり施工されることを覚悟せねばなりません.
図面根拠をしっかりチェックしてくれる施工業者さんはそうそういませんよ.
また,掘削工を請負う下請業者さんは出来高払いでしょうから,どんどん先に進みたがります.
重機と人間を投入して早くすめば早くすむほど儲るわけですから・・・
立坑なんかの場合は,支保工がない状態で掘るのが一番簡単でかつ出来高も上がるんで,下手をすると
切梁2段分くらい先に掘っちゃう事もあるんです.
先掘りが大きすぎて,鋼矢板の変形が大きくなり,背面の地山をゆるめてパイピングまで発生・・・などという経験
が大昔あります.
また,地下鉄のように市街地での開削工事の場合は,周辺民家への影響を防ぐため
土留壁の変位をできるだけ抑える必要がありますから,先掘り深さはできるだけ小さい方がいいわけです.
つい先日,田中さんがいってました.
『○野所長は偉かった.計算上の先掘り深さは1mだったが,現場では80pを徹底して守らせ,
腹起しのブラケット取付けもきっちり坪掘りをさせていた』
今は,現場も少人数で対応せざるを得ないようですし,ISOを始めとする書類作成業務で忙しく,現場は
ともすれば下請業者さんまかせになりがちなご様子.
こういう,徹底した指導をできる人が果してどれくらいいるか・・・・
甚だ疑問に感じる昨今であります.
とまあ,いらん世話は別にして
土留計算の先掘り深さは1m程度・・・かつ図面に明記
よろしいでしょうか?新人くん(^^)
← 一覧表へ